ディアナチュラマガジン
2018/07/12

おすすめの運動第1回:呼吸法&正しい姿勢で体の軸を安定させるエクササイズ

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「体幹を安定させる」エクササイズ

第1回:呼吸法&正しい姿勢で体の軸を安定させるエクササイズ

監修:整形外科 スポーツ・栄養クリニック 武田淳也 理事長
引用元:「カラダ取説」武田淳也著(徳間書店)

なぜ体幹を安定させるといいの?

体幹は読んで字のごとく全身における幹であり、その体幹に両腕と両脚と頭がついて、私たちは体を動かしています。
いわば体幹が木の幹であり、木の幹が丈夫であるのに越したことはありません。
だからこそ、体幹の筋肉を養うことは、基礎代謝量の点からも、体を使いこなすという点からも、健康を高めるうえで大変効率的なのです。

体幹を安定させるには?

1.まずは正しい呼吸と美しい姿勢を得て体の軸を安定させましょう

正しい呼吸とは以下の3つの目的が果たされる呼吸のことをいいます。

① 体内に酸素を取り入れ、体内の組織から二酸化炭素を排出する
② 姿勢を保つ
③ 動作を導く

正しい呼吸をすることで体幹の安定が得られます。
また、呼吸もエクササイズも、思うような効果を得るには正しい姿勢で行う必要があります。

2.リズム運動とスムーズな骨盤回旋の動きで運動効果アップを狙いましょう

エクササイズの効果を最大限に得るために欠かせないのが「集中」と「リズム」です。
集中するためにもっとも必要なのは、適度にリラックスすることで、セロトニンという脳内物質が活発に分泌されている状態のときに、もっとも集中できます。
このセロトニンを活性化するのに有効なもののひとつがリズム運動です。
また、ランニングやスポーツを行う際には、正しい骨盤回旋を行うことが運動効果を出すうえで重要です。

3.回旋系の体幹コントロールで快適なランニングやスポーツを実現しましょう

膝を上げて行うことで、回旋系の体幹コントロールをしっかり訓練できます。
アスリート向けでハードなぶん、効果は倍増になります。

エクササイズの前に

  • 紹介しているエクササイズで、比較的やさしく感じるものは、5~6回繰り返してみましょう。少し難しいと思われるものは3回以内にとどめましょう。エクササイズを行ううえでは、良い姿勢で自分の体を正しくコントロールして行うことがいちばん大切です。無理をして正しいコントロールができない状態で行うのは避けましょう。
  • エクササイズを行う際には、ご自身の体調を考慮しながら行ってください。
  • 何らかの疾患や既往症をお持ちの方は、エクササイズを行う前に必ず主治医にご相談ください。
  • もしもエクササイズの途中で痛みが生じたり、体調が悪くなった場合は、すぐに中止して専門医にご相談ください。
  • 紹介しているエクササイズの効果は、個人によって差があります。

エクササイズにチャレンジ!

「体幹を安定させるには?」の3つのテーマに合わせてエクササイズをご紹介します。第1回は、「まずは正しい呼吸と美しい姿勢を得て体の軸を安定させましょう」のテーマに合わせたおすすめのエクササイズです。

第1回:呼吸法&正しい姿勢で体の軸を安定させるエクササイズ

まずはエクササイズをするときの正しい呼吸を練習しましょう。

こぶしがひとつ入るくらいの脚の幅で立つ。背骨を引き伸ばすような感覚で背骨の軸を意識する。お腹を平らに引き込んで、両手のひらをそれぞれ両脇の肋骨の部分にあてる。

呼吸とエクササイズの基本、「骨盤トライアングル」を意識しましょう。

両手を腰に当て、左右の腰骨の出っ張った部分と恥骨の3点を結んだときにできる三角形を「骨盤トライアングル」と呼びます。立っているときは、この三角形が床に対して垂直になるようにし、仰向けになったときは、床に対して水平になるようにします。
骨盤のトライアングルを意識して、正しい姿勢を確認します。

逆二等辺三角形の「骨盤のトライアングル」を意識して正しい姿勢を確認。

エクササイズを実践しましょう!

呼吸法エクササイズ

呼吸のコントロール効果で体幹を安定させる

脚を前に上げると体は前傾し、後ろに上げると反ります。
一方、息を吸うときにはからだは後ろに反り、吐くときに前に丸まります。動作と呼吸を上手に組み合わせることで、体が丸まったり反ったりすることを防ぎ、体幹を安定させることができます。

呼吸で体幹と脚の動きを調和させる①

こぶしがひとつ入るくらいの脚の幅で立つ。
つむじと尾骨を上下反対方向に引っ張り合って、背骨を引き伸ばすような感覚で背骨の軸を意識して立つ。骨盤のトライアングルは床に対して垂直を保つ。

1の姿勢を保ち、お腹は平らに引き込んだまま、息を吸いながら片脚を膝の後ろを伸ばして、股関節だけを使って、前に出す。

2の姿勢を保ちながら、その脚を、息を吐きながら元の位置を通って後ろへ。
また息を吸いながら元の位置を取って前へ。2〜3を繰り返し行う。反対側の脚でも行う。

呼吸で体幹と脚の動きを調和させる②

①−1のエクササイズパターンと同じ姿勢を保つ。

お腹は平らに引き込んだまま、息を吸いながら膝を曲げて股関節を90度近くまで持ってくる。

息を吐きながら、上げている片脚を、股関節だけを使って立っている軸足の横を通って後ろへ。

さらに脚を後ろへ。このとき、骨盤が後ろに傾かないように注意する。また、息を吸いながら2〜4を繰り返す。反対の脚でも行う。

脚を動かしたときに姿勢がくずれないように注意

正しい姿勢を得るエクササイズ

骨盤のポジションを正しく保ち、体の軸を安定させる

正しい姿勢の基本となるのが骨盤の位置と、腰部分の骨、腰椎のコントロールです、ここをしっかりと安定させることで、その上にある背骨も正しい位置や形となり、体への負担が少ない美しい姿勢を保つことができるようになります。

美しい姿勢を保ちながら手脚を動かす

四つんばいの姿勢になる。動いている間も、骨盤のトライアングルの面は床と平行にキープする。内臓の重みで垂れ下がるお腹も背中のほうに引き上げるような意識で引き上げて平らな状態を保つ。内もも(内転筋)はきゅっとひきしめてスタートする。鼻から息を吸う。

口からゆっくり息を吐きながら、片手と逆の片脚をゆっくりと床から浮かして前に伸ばし、それぞれの腕と脚を体と水平に。そのほかの部位は1の姿勢をキープ。

2の姿勢が安定したら、息を吸いながらゆっくりと元に戻す。再び息を吐きながら反対側の片手と片脚を浮かして伸ばし、腕と脚が体と水平になるまで伸ばす。同じ動作と呼吸を繰り返す。


  • 背中を凹ませない

  • 背中を丸めたり頭を下げたりしない。

監修:武田淳也(たけだ じゅんや)

整形外科専門医、スポーツドクター、ピラティス教師。
1963年生まれ。島根県出身。福岡大学医学部卒。医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニック理事長、Pilates Lab 代官山・福岡、青山reserve代表、ビヨンド・リハビリ福岡スタジオ顧問。Motor Control: Beyond Pilates®代表、カラダ取説® 協会会長、日本ピラティス協会・研究会会長。
こちらで紹介しているエクササイズが、より深く動画でも学べる書籍『ピラティスのメソッドで美しく疲れも痛みもない体になれる!カラダ取説』(徳間書店)は、全国の書店やAmazonにて好評発売中。

Pilates Lab 代官山・福岡
医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニック

記事の内容は武田淳也先生、徳間書店様の許可をいただいて掲載しています。本文、画像の無断転載はご遠慮ください。
※「カラダ取説®」は、医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニックグループの登録商標です。

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