監修:整形外科 スポーツ・栄養クリニック 武田淳也 理事長
引用元:「カラダ取説」武田淳也著(徳間書店)
体幹は読んで字のごとく全身における幹であり、その体幹に両腕と両脚と頭がついて、私たちは体を動かしています。
いわば体幹が木の幹であり、木の幹が丈夫であるのに越したことはありません。
だからこそ、体幹の筋肉を養うことは、基礎代謝量の点からも、体を使いこなすという点からも、健康を高めるうえで大変効率的なのです。
正しい呼吸とは以下の3つの目的が果たされる呼吸のことをいいます。
① 体内に酸素を取り入れ、体内の組織から二酸化炭素を排出する
② 姿勢を保つ
③ 動作を導く
正しい呼吸をすることで体幹の安定が得られます。
また、呼吸もエクササイズも、思うような効果を得るには正しい姿勢で行う必要があります。
エクササイズの効果を最大限に得るために欠かせないのが「集中」と「リズム」です。
集中するためにもっとも必要なのは、適度にリラックスすることで、セロトニンという脳内物質が活発に分泌されている状態のときに、もっとも集中できます。
このセロトニンを活性化するのに有効なもののひとつがリズム運動です。
また、ランニングやスポーツを行う際には、正しい骨盤回旋を行うことが運動効果を出すうえで重要です。
膝を上げて行うことで、回旋系の体幹コントロールをしっかり訓練できます。
アスリート向けでハードなぶん、効果は倍増になります。
「体感を安定させるには?」の3つのテーマに合わせてエクササイズをご紹介します。第3回は、「回旋系の体幹コントロールで快適なランニングやスポーツを実現しましょう」のテーマに合わせたおすすめのエクササイズです。
ランニングやスポーツが安全・快適にできるエクササイズ(アスリート向け)
おすすめの運動第2回でご紹介した「ひねる動きで胸椎の回線を引き出す」エクササイズのハードバージョンです。
膝を上げて行うことで、回旋系の体幹コントロールをさらにしっかりと訓練できます。アスリート向けでハードなぶん、効果倍増です。両方の肩甲骨をしっかり床面に着けてこそ、その効果が発揮されます。
仰向けになり、基本の姿勢をつくる。両手は手のひらを下にして45度に広げる。両脚をぴったりと閉じて90度に曲げ、その角度を保ったまま上に上げる。
鼻から息を吸って準備。息を吐きながらゆっくりと両脚を右方向に倒す。そのとき、上になった左脚の膝が、下になった右脚の膝を乗り越えて伸びていくように心がける。
息を吸い、息を吐きながら、ゆっくりと両脚を元の位置に戻して、息を吸って準備。
息を吐きながら、今度はゆっくりと両脚を左に倒す。上になった右脚の膝が、下になった左脚の膝を乗り越えて伸びていくように心がける。
息を吸い、息を吐きながら両脚をゆっくりと元の位置に戻す。この動きを5回繰り返す。
整形外科専門医、スポーツドクター、ピラティス教師。
1963年生まれ。島根県出身。福岡大学医学部卒。医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニック理事長、Pilates Lab 代官山・福岡、青山reserve代表、ビヨンド・リハビリ福岡スタジオ顧問。Motor Control: Beyond Pilates®代表、カラダ取説® 協会会長、日本ピラティス協会・研究会会長。
こちらで紹介しているエクササイズが、より深く動画でも学べる書籍『ピラティスのメソッドで美しく疲れも痛みもない体になれる!カラダ取説』(徳間書店)は、全国の書店やAmazonにて好評発売中。
記事の内容は武田淳也先生、徳間書店様の許可をいただいて掲載しています。本文、画像の無断転載はご遠慮ください。
※「カラダ取説®」は、医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニックグループの登録商標です。